技術

砂型鋳造加工

当社の鋳造部門では、真鍮の砂型鋳造を主業としています。砂型鋳造は、金型を必要とするダイカストと異なり、木型や樹脂型を用いるため、初期投資を抑えつつ試作品や小ロット生産に柔軟に対応できる点が大きな特徴です。

この技術により、複雑な三次元形状を持つ部品や、アウトドア用品の特殊な形状の本体、デザイン性が求められる雑貨のパーツなど、切削加工のみでは製造コストが高くなる製品を効率的に成形します。生み出された鋳造品は、後述する切削加工部門へとシームレスに引き継がれ、高精度な製品へと仕上げられます。

線材加工

線材加工は、当社の得意分野の一つであり、金属の線材を素材として、曲げ、潰し、切断、圧造(ヘッダー加工)といった多彩な加工を施す技術です。

専用のベンダー機を駆使し、日常生活に欠かせないフック、リング、ピンといった汎用金具から、バーベキュー串や魚串、額縁を掛けるための額掛金具など、特定の用途に特化した専門的な製品まで幅広く生産しています。鉄、ステンレス、真鍮、銅など、用途に応じた多様な材質の線材に対応し、安定した品質での大量生産を可能にしています。

先端加工

先端加工は、当社の創業時からのルーツとも言える中核技術です。金属材料の先端部分に対し、単に鋭利にするだけでなく、機能性を持たせた特定の形状に精密加工を施します。

この技術の代表的な製品が「アイスピック」や「コルク抜き(ワインオープナー)」です。氷を砕く、コルクを引き抜くという機能を発揮するために最適化された先端形状は、長年にわたり蓄積されたノウハウの結晶です。精度と耐久性が求められる高付加価値な部品製造を支える基盤技術となっています。

切削加工

切削加工部門は、他の3つの技術と連携し、製品の最終的な寸法精度と機能性を保証する上で不可欠な役割を担います。NC旋盤等の工作機械を用い、鋳造品やプレス成形品に対して、穴あけ、ネジ切り(タップ加工)、平面出し、溝入れなどの追加工を行います。

砂型鋳造では難しいレベルの寸法差や、線材加工・先端加工だけでは実現できない微細な形状を、切削技術によって補完・完結させます。